Bloody Kiss♡



彼には、立ち会いも面会も断った。


「退院するまで、赤ちゃんに会うのは我慢して‥。落ち着いた場所で家族三人だけで‥。」

「分かってる。ちゃんと待ってるから行って来な。」

「うん。」

明るく答えて、あたしはタクシーに乗り産院に向かった。


赤ちゃんに会える喜びと、愛する彼を喪う哀しみが胸の中で絡み合っている。

残酷な未来に泣き出したくなった。


数時間後

「そろそろかな。」

触診した看護師は、あたしを分娩台へと誘導した。


繰り返す激しい痛みに襲われながら、あたしが産んだ赤ちゃんは、男の子だった。