Bloody Kiss♡



「七海くん‥、なんで‥?」


心臓が止まりそうって、こんな時のことを言うんだ。

まさか、魔王が七海だったなんて考えてもみなかった。


「ね、もっと近くまで来てよ。絽那。ずっと会いたかったんだ。」


あの頃と変わらない、優しい笑顔の七海。

ただ違うのは、どこか自信無げな彼じゃなく威風堂々としている様子。

そのことが気になりはしたけど、魔王になって変わったのかもしれない。

そう解釈した。


あたしは彼に歩み寄り

「許して貰えないと思うけど‥、あの時‥ごめんね。」

ずっと伝えたかった想いを口にした。