Bloody Kiss♡



一瞬、目の前が真っ白になり、瞬きをして目を開けても やっぱり真っ白だった。


ただ違ったのは、幻惑鳥に捕まれて振り子のように空で揺れているんじゃなく、自分の足で地面に立っているということ。

そして、この場所をあたしは知っている。


「来たね、クピドー。」

「そうだね、キューピ。」


天使達の囁き声に耳を傾けながら、辺りを見回した。

次第に白の空間に慣れた目は、彫刻の天使達の姿を捉えた。


「一体、何の用?あなた達がスプリガンをイケメンに変えて、あたしを騙そうとしたの?」


さっきから感じている腹立たしさを抑えて、あたしは彼らに訊いた。