Bloody Kiss♡



開かれた窓を通り抜け、幻惑鳥は空高く舞い上がった。

眼下に見える城は、どんどん小さくなっていくけど寒さは感じなかった。


「とりあえず、背中に乗せて飛んでよ‥。」


ぶら下げられたままブツクサ文句を言いながら、果てしなく続く花畑を眺めていた。

すると、突然

「まぼろしー!」

大きな声で、また幻惑鳥が鳴いた。

途端、あの果樹園がその存在を現した。


幻惑鳥は、あたしの髪を掴んだまま果樹園の上をゆっくりと旋回し出した。

その時

~ おいで、おいで、もう一度‥
おいで、おいで、幻惑鳥が鳴いたとき‥♪~

彫刻の天使達の歌声が聴こえてきた。