「早いね。」
イケメンの一人が呟いた。
「強い精神力だな。」
更に、もう一人。
だけど、さっきまでカッコ良かった声が何故か濁って聞こえる。
あたしは、彼らに視線を戻した。
─ え?
確かに居たイケメン達は皆、醜い容姿のスプリガンに姿を変えている。
スプリガンは、確か、弱き者や宝物を守る妖精。
─ どーゆこと?なんで、あたしを騙そうとしたの?
疑問に感じていると、天井から舞い降りて来た幻惑鳥は、その二本の足であたしの髪を鷲掴みにした。
「あッ!」
と悲鳴を上げたけど、痛みは無かった。
鳥は、あたしの髪を掴んだまま、ステンドグラスの大きな窓に向かって飛んだ。


