ふと、セトの言葉が耳を掠めた。 ─ 幻想の世界を‥ ─ 連鎖するように、マリィの言葉も。 ─ ここは“まやかしの楽園”─ 『幻想』『まやかし』 二つの単語が頭の中を渦巻いた。 そして、気付いた。 「何もかも作り物なんや!」 あたしが叫んだと同時 「まぼろしー!!」 頭上でも、何かが叫んだ。 思わず「IKKOサンか」とツッコみそうになる。 見上げると、キラキラ輝くシャンデリアが幻惑鳥に姿を変えた。 鳥は銀色の羽を羽ばたかせ、天井を優雅に舞っていた。