Bloody Kiss♡



「とにかく参りましょう。」

何事も無かったかのように、先を急ぐミュー。

話は あと回しにして、まだ慣れないドレスで、あたしも出来るだけ早足で歩いた。


長い長い廊下の突き当たりには、無数のジュエルで飾られた豪奢な扉。

その扉が内側から、ゆっくりと左右に開かれた。


「どうぞ。」

ミューに促され、大広間へと歩を進める。

大きすぎるシャンデリアが眩ゆい光を放っている。


「ハーイ♪」

「今夜は弾けよーぜ♪」


陽気な声と聞き慣れた J-POP。


「なに、これ‥。」


驚くのも当然。

広間の至る所にイケメン、イケメン、イケメン‥。


─ 楽園にイケメンって‥


文字通り、イケメンパラダイスだった。