「とにかく参りましょう。」
何事も無かったかのように、先を急ぐミュー。
話は あと回しにして、まだ慣れないドレスで、あたしも出来るだけ早足で歩いた。
長い長い廊下の突き当たりには、無数のジュエルで飾られた豪奢な扉。
その扉が内側から、ゆっくりと左右に開かれた。
「どうぞ。」
ミューに促され、大広間へと歩を進める。
大きすぎるシャンデリアが眩ゆい光を放っている。
「ハーイ♪」
「今夜は弾けよーぜ♪」
陽気な声と聞き慣れた J-POP。
「なに、これ‥。」
驚くのも当然。
広間の至る所にイケメン、イケメン、イケメン‥。
─ 楽園にイケメンって‥
文字通り、イケメンパラダイスだった。


