赤橙色の光が白の空間を照らし出すと、ボーッと何かが浮かび上がってきた。 最初、ぼんやりだったその何かは豪奢なバロック様式の白い噴水だった。 壁面には、彫刻が施されている。 それは、五人の純白の天使が戯れた姿の彫刻で 「見付けた!」 あたしは、思わず声に出して叫んだ。 同時に、彫刻の天使達と目が合った。 途端 「やっぱりね!」 ひとりの天使が得意げな顔で、ニッと笑った。