─ 調教?

  ドM?


「なに、それ‥。」

「どうせ、行く場所ないんだろ?親にも話せないよな。“結婚を約束したから同棲したい″って泣いて頼んだのに追い出されたなんて言ったら、お前の親父、アツヤってヤツのこと殺すかもな♪」


─ 言えてる‥

  けど‥


「オレがお前を飼ってやるよ。感謝しな。」


妄想の世界で生きている馬鹿に、いい加減 腹が立って来た。


「はい?寝ぼけてるんですか?てゆーか、寝言は寝て言えっちゅーねん。」


あたしは、セミヌードの情けない姿のままで悪態をついた。


「イヤならいいんだぜ。お前を素っ裸で公園にでも置き去りにするか♪」

「ちょ、待って!」


確かに、今は帰れない‥

パパのことだから、アツヤに会おうとするはずだし、そんなことを あたしは望まない‥


「なに?降参する?」

「冬休みだけ‥。冬休みだけなら‥。」


服さえ手に入れば、逃げることも不可能じゃないはず。

そう考えたあたしは、彼の条件を飲むフリをした。