魔界が空と地上の間にあるなんて考えたこともなかった。

てっきり地底にあるものだと思っていた。

けれど、そんなことを口走れば、また人間の勝手な想像だとか何とか、セトは鼻で笑うはず。

だから、敢えて黙っていた。


プラットホームのような建造物が見えて来た。

更に速度を落としたコースターは、もうジェットコースターでは無くなっていた。


「降りるぞ。」

「うん‥。」


セトと一緒に停車したコースターから降り、閑散としたホームを眺める。


宙に浮いたように存在するホームには、コウモリみたいな生物が光の粉を撒き散らしながら数匹飛んでいるだけ。

屋根もベンチも、改札口さえも無かった。