「セト!レール!」 二つの単語を無我夢中で叫んだ。 「ああ、しっかりバーに掴まってろよ。」 落ち着き払った声で、セトは楽しむように言った。 ジェットコースターは、夜空に向かって走って行く。 切れたレールの端が急速に近付いて来た。 「なに?これ!!!」 そう叫んだ瞬間、視界からレールが消えた。 真っ逆さまに落ちるだろうことは、考えなくても分かる。 「いやーッ!!」 恐怖に絶叫した時 ─ え‥? ジェットコースターは、まるで大気圏を目指すように、スピードを上げ突き進んだ。