Bloody Kiss♡



「でも‥。」


これまでに何度も、サタルドは英雄に打ち負かされて来た。

セトは、そう話していた。


例え、あたしが悪魔の花嫁になってサタルドを産んだとしても‥

必ずしも、そのサタルドが人間界を滅ぼすとは限らない‥


安全ベルトを装着しながら、あたしは その考えをセトに話した。


「ブラッディキスが お前を選んだあと、予言書の最後のページ、読み直したか?」

「え?最後の?」


突如、耳元で『スリラー』が流れ出した。


「うわ!動いた!」


一気に緊張が高まった時、ジェットコースターは ゆっくりと発車した。