あの書物には確か、そう書いてあった。
あれって、吸血鬼に関することなのかな‥?
この真っ赤なロザリオは、吸血鬼を絶滅させてしまうのかな‥?
「セト‥。」
「ん?」
振り向いた彼に、もう哀しい影は無かったけど
「予言書には、繁栄と絶滅が訪れるって書いてあった。同時にって意味だと思う。それって、吸血鬼に関係ある?」
あたしは、彼に問い掛けた。
セトは、ほんの一瞬、優しい瞳であたしを見た。
そして
「それは、バンパイアだけじゃない。魔族全体に言えることだろうな。」
と、答えた。
「どーゆ意味?」
「つまりだ、お前がサタルドを産む。そのサタルドが成長し、人間界を滅ぼす。そうなると、結果は?」
「魔界の繁栄?」
空っぽの髑髏型コースターが目の前で停まった。
「そう言うことだよ。」
頷くと、セトはコースターに乗り込んだ。


