Bloody Kiss♡



あの書物には確か、そう書いてあった。


あれって、吸血鬼に関することなのかな‥?

この真っ赤なロザリオは、吸血鬼を絶滅させてしまうのかな‥?


「セト‥。」

「ん?」


振り向いた彼に、もう哀しい影は無かったけど

「予言書には、繁栄と絶滅が訪れるって書いてあった。同時にって意味だと思う。それって、吸血鬼に関係ある?」

あたしは、彼に問い掛けた。


セトは、ほんの一瞬、優しい瞳であたしを見た。

そして

「それは、バンパイアだけじゃない。魔族全体に言えることだろうな。」

と、答えた。


「どーゆ意味?」

「つまりだ、お前がサタルドを産む。そのサタルドが成長し、人間界を滅ぼす。そうなると、結果は?」

「魔界の繁栄?」


空っぽの髑髏型コースターが目の前で停まった。


「そう言うことだよ。」

頷くと、セトはコースターに乗り込んだ。