「え?魔物って、死なないんじゃなかったっけ?」
その疑問を口にしながら、思い出したことがあった。
─ 吸血鬼に限っては、ひとつだけ消滅させる方法がある ─
あたしを拐った次の日、確かセトはそう言っていた。
その方法が何なのか、とても気になったけど‥。
「浮かない顔してんじゃねーよ。次は、これ乗るぜ。」
【Devil Zone The Ride】と書かれたアトラクションの前で、セトは、あたしの腕を引いた。
包帯をグルグル巻いたミイラのクルーに促され、階段を上る。
ちょうど、髑髏型ジェットコースターが多種多様な魔物を乗せて、動き出したところだった。
真横にいるセトを見上げた時、何故だか彼の横顔が哀しげに見えて
─ 吸血鬼は絶滅種 ─
そう言った、セトの言葉を思い出した。
そして、連鎖するように予言書の中の文章も‥。
─ 月の女神をブラッディキスが選んだ時、全ては瞳に映り 繁栄と絶滅が訪れるであろう‥ ─


