Bloody Kiss♡



「え?魔物って、死なないんじゃなかったっけ?」


その疑問を口にしながら、思い出したことがあった。


─ 吸血鬼に限っては、ひとつだけ消滅させる方法がある ─


あたしを拐った次の日、確かセトはそう言っていた。

その方法が何なのか、とても気になったけど‥。


「浮かない顔してんじゃねーよ。次は、これ乗るぜ。」


【Devil Zone The Ride】と書かれたアトラクションの前で、セトは、あたしの腕を引いた。


包帯をグルグル巻いたミイラのクルーに促され、階段を上る。

ちょうど、髑髏型ジェットコースターが多種多様な魔物を乗せて、動き出したところだった。


真横にいるセトを見上げた時、何故だか彼の横顔が哀しげに見えて


─ 吸血鬼は絶滅種 ─


そう言った、セトの言葉を思い出した。

そして、連鎖するように予言書の中の文章も‥。


─ 月の女神をブラッディキスが選んだ時、全ては瞳に映り 繁栄と絶滅が訪れるであろう‥ ─