指針の無い時計は、8の数字が てっぺんに来ていた。


「こんな時間から どこ行くの?クラブ?居酒屋?」

尋ねると、セトは

「テーマパークだ。」

と答えた。


「テーマパーク?どこ?まさか、ユニバ?」

「正解♪」


セトは頷いたけど、あたしは不満だった。


日曜日の夜、ユニバーサルスタジオジャパンは、21時には閉園するはず。

アトラクションを楽しめないどころか、入園さえ出来ない。


「もう8時やのに遊べないやん‥。大体、この町からだと車で1時間は余裕でかかるし閉園してるわ。」


膨れっ面になるあたしの肩を抱き寄せて、セトは

「楽しもうぜ♪」

って、言った。