Bloody Kiss♡



花嫁には、しとやかさが求められる。

その動きを身に付けるため、着物から再度 悪趣味なメイド服に着替え、あたしは また屋敷中を掃除した。


背後でホルスが監視している。

おパンツが見えないよう気を遣いながら、長い廊下を雑巾掛け。

開かない窓の外は、すっかり陽が暮れていた。


「さて、ロナ様。そろそろ時間でございます。お出掛けのご準備をなさいませ。」

不意に声を掛けられ、思い出した。


─ 明日はデートだ‥ ─


そう言ったセトの言葉を。


「うん、シャワー浴びて来る。」

雑巾をホルスに手渡して、あたしはシャワールームに向かった。