Bloody Kiss♡

 

見上げると、いつの間にか雲がハーフムーンを隠していた。


「お嬢様も、そろそろお部屋へ。」


ホルスに促され、あたしも屋敷に入り宛がわれた部屋へと向かった。

そして、部屋に入るなりベッドで横になった。


トカゲ男に拉致されたり、ブラッディキスに選ばれたり‥。

今日一日の疲れが どっと押し寄せて来た。



─ そう言えば、お風呂‥



今夜は、まだお風呂に入っていない。

そのことを思い出したけど、疲れきった体は動かなかった。


いつものようなミストに包まれる感覚も無いまま、あたしは、いつしか眠っていた。