見上げると、いつの間にか雲がハーフムーンを隠していた。
「お嬢様も、そろそろお部屋へ。」
ホルスに促され、あたしも屋敷に入り宛がわれた部屋へと向かった。
そして、部屋に入るなりベッドで横になった。
トカゲ男に拉致されたり、ブラッディキスに選ばれたり‥。
今日一日の疲れが どっと押し寄せて来た。
─ そう言えば、お風呂‥
今夜は、まだお風呂に入っていない。
そのことを思い出したけど、疲れきった体は動かなかった。
いつものようなミストに包まれる感覚も無いまま、あたしは、いつしか眠っていた。
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