Bloody Kiss♡



あの夜、ここに連れて来られたのは、あたしが悪魔の花嫁候補だったから‥。

そして、この数日間、あたしは知らず知らずのうちに試験を受けていたんだ。


─ バカみたい‥


DOKIDOKIしたりキュンとなったり、セトに恋心を感じたり‥。


「あたし、イヤ‥。」



魔王の花嫁なんて、絶対にイヤ!

セトに惹かれている その感情は勿論だけど、家族や友達に会えなくなるんじゃないの?

人間界に戻って来られなくなるんじゃないの?


なのに、その思いを声に出せなかったのは、胸に引っ掛かる何かがあったからかもしれない。


「ロナ、見ろ。」


夜空を見上げるようにと、セトはあたしを促した。

言われるままに、あたしはブラックダイアモンドの夜空を見上げた。