あの夜、ここに連れて来られたのは、あたしが悪魔の花嫁候補だったから‥。
そして、この数日間、あたしは知らず知らずのうちに試験を受けていたんだ。
─ バカみたい‥
DOKIDOKIしたりキュンとなったり、セトに恋心を感じたり‥。
「あたし、イヤ‥。」
魔王の花嫁なんて、絶対にイヤ!
セトに惹かれている その感情は勿論だけど、家族や友達に会えなくなるんじゃないの?
人間界に戻って来られなくなるんじゃないの?
なのに、その思いを声に出せなかったのは、胸に引っ掛かる何かがあったからかもしれない。
「ロナ、見ろ。」
夜空を見上げるようにと、セトはあたしを促した。
言われるままに、あたしはブラックダイアモンドの夜空を見上げた。


