「あとは性格だな。気が強くて本質的にはMな女。それが魔王の求めるタイプだ。そして、女神と同じ名であることも重要な要素だった。」
「つまり、あたしが悪魔の花嫁になることを認められたってこと?やった♪嬉しい!なんて、喜ぶバカがいる?もういい加減にしてよ!!」
怒鳴りながら、切なくなった。
セトは任務を果たすためだけに、あたしをさらったんだ。
「勝手なことばっか言って!いい迷惑やんっ!」
素直に“切ない”なんて言えず、あたしは悪態をついた。
だけど
「最後の関門ってとこか‥。」
あたしの怒りなんか気にも止めずに、セトは書物を手にすると表紙を月へと向けた。


