表紙を開いた彼は、パラパラとページを捲った。 そして 「読めるか?」 と、あたしに向けて その書物を差し出した。 ページには、うっすらと文字らしきものが滲んでいる。 それは、あの朝 見たものと同じだった。 「読めないし‥。」 呟きながら書物に手を触れた時、文字が浮かび上がって来た。 最初、ぐにゃぐにゃと不規則に揺れていた文字は、次第に列を作った文章になった。 「あ、読める。」 あたしは、文字の羅列を目で追った。 そこには、セトが仄めかしていた花嫁の条件が事細かに書いてあった。