悪魔は、直接的には人間界に手を降(クダ)せない。

何故なら、そこには神の偉大な力が影響し守られているからだ。


だからこそ、悪魔は人間と結ばれ子どもを作るようになったんだと、セトは話した。

人間の血をひく子どもなら、神を欺くことが出来る。

そして、その子ども達が成長し地上に降り、魔王の指揮の元、世界征服を企んできた。


「神は、その邪悪な力を抑えるために英雄になる子どもを作るんだ。悪魔と人間の子ども‥、つまり、サタルドってんだけど、ソイツらの企ては英雄らに邪魔され、これまで尽く失敗してきた。けど、魔王は諦めちゃいない。時期を待った。」


そこまで話すと、セトは 一呼吸の間を置いた。


そして、あたしを真っ直ぐに見つめ

「今がその時期だ。ロナ。お前は選ばれし者。悪魔の花嫁としてな。」

と、言った。