「2、1‥」 セトが「0」を数えたのと同時、サラマンドラがピクリと動いた。 「おのれ~!裏切り者めが!」 術の解けたサラマンドラが叫んだ瞬間、ホルスは勢い良く口から風船を飛ばした。 サラマンドラの全身が防御の火炎を纏った。 どこだか分からない薄暗い室内に、熱気が充満していた。 炎に触れた風船は、溶けるどころか網状に変化すると、あっという間にトカゲ男を包み込んだ。 そして、見る見るうちに縮んで、床には噛んだあとの小さなガムの塊が落ちていた。