絶句するあたしに、彼は繰り返した。

「オレが殺してやるよ。」

その笑顔が不気味にセクシーなのがイヤだった。


「冗談ヤメて!」

あたしは叫んだ。


─ ただの変態じゃない‥

  きっと、異常者なんだ‥


かじかむ手は、感覚を失くしていた。

ブーツの中の足先も感覚を失くしていた。

逃げ出そうと、一段上の梯子に手を伸ばした時‥

「あっ!!」

足を踏み外して、あたしは落下した。