「ごめんなさい…ごめんなさい…」
お母さんはいつもこう言って泣いていた。

「お前はくそや!死ね!」
お父さんはいつもこう言ってお母さんに暴力をふるっていた。


私の1番はじめの記憶はお父さんがお母さんをゴミ箱に突き飛ばして髪の毛を掴んで蹴っていたところ。
次の記憶はダイニングテーブルをお父さんがちゃぶ台返しのようにひっくり返して、床にこぼれ広がったシチューをお母さんが泣きながら片付けていたところ。
次の記憶はお父さんがテレビをお母さんに投げつけていたところ。
次の記憶は…

家族みんなが笑っている時なんてあったかな。