・:*+.
ピンポン



意を決して鳴らしたチャイムを指先で押すと
辺りに透明な音が響いた。



チャイムを押してから気がついたけど
つうか、気がつくの遅いけど、
俺がここへ来た理由って、
もしかしたら窓から見た女の人へのただの興味なんじゃないかと今更ながらふと思った。


黒髪の長い髪の儚げな女の人が扉から出て来るんだろうという、
そんな期待度が半端ないからだ。






「 はい 」


透明な声がインターフォンから聞こえた。



「 あのー、教室を探していまして…」


しまった “ピアノ教室” って言わなきゃダメじゃん俺、



「 え 」

「 あ、えっと、だからピアノ…ぐはっ‼︎」


言葉を言い終わる前におもいっきし扉が開いて
そのドアにおもいっきしぶつかって
その衝撃におもいっきしびっくりした。


「 いっ痛… 」

「あ、ごめんなさ…」


目に星とか飛んでるからね。
相当な衝撃だなコレ、



頑張って目を開けると“衝撃星”の隙間から黄色のドレスが見る。
おまけに頭にはスパンコールで囲まれた
でっかいメガネがカチューシャ風に付けられている。






「 はぁ⁉︎ 」