…どのくらいたったのか。
営業がおわる合図の曲が
きこえる。
私は、女の子に涙で崩れたメイクをみられるのがいやで、
急いで着替えた。
サングラスをつけ、そっとロッカーをでる。
入り口ちかくにたっていた店長に、そっと送りはいらないと伝えた。
歩きたかったから。
みんなと一緒は、なんだか気が進まなかったし、
ゆめちゃんが見れば心配する。
ゆめちゃんは、店長とお出掛けの日だったから、
余計な心配をかけたくなかった。
…正直、中村さんの余韻を失いたくなかったのかもしれない。
私は店を出て、
夜の道をあるく。

