そんなこんなで、私の抵抗もむなしく


歩く私のとなりには

中村さん。



私の体の血が二倍のスピードでながれてる…


『あー、ゆうなちゃん、ちょっと休憩…』


半分くらい歩いたところで中村さんがしゃがみこむ。


『大丈夫??』


『んー、あんよがいたい』


あ、まだにゃんにゃん継続中…



私も中村さんのとなりに車道にむかってしゃがみこむ。


『ふー』


ため息をはいて顔を上げた私は

はいたため息を吸い込んでしまった。



私の目に飛び込んできたもの


車道のむこうに





ラブホテル






キラキラに輝くそこ。




『なっ…』

私が思わずあげてしまった声が、車の音にかき消されて

本当によかった。



『キラキラだねー』


固まっている私の隣から
中村さんの声がした。


『!?

…あ、キラキラです』



私は慌てて答えた。


中村さんはそんな人じゃないっ


…でも中村さんなら…



なんて、はずかしい葛藤をしながら、


私は頭をブンブンふった。