金曜日の朝
俺は、クソみたいな奴らがいる教室へ足を踏み入れた。…ベチャッ_。大量の卵が投げつけられ、卵に滑った俺は尻もちをついた。すると、目の前に女王様が現れた。「田宮…さん…」弱々しい声で言うと、「ごめんね、菊池くん。みんなわざとじゃないの。手が滑っちゃっただけ。許してあげて?」なんて言いながら上目遣いで俺を見てくる。俺は、田宮さんの言葉を無視してトイレへ向かった。__消しゴムは投げられるわお弁当はすてられるわで忙しい1日を送った俺は、早足で家に帰り、支度をして撮影現場へ向かった。「おはようございます。菊池琉月です。」そう言うとどこからかかん高い声でキャーという奇声。すぐにわかった。田宮由羽だ。「琉月様…♡おはようございます…♡」なんて言いながら俺を見てくる田宮さん。学校の時とは明らかに違った。俺が琉生だとバレたら大変なことになる。だから俺は、バレないように万全な注意をかけてきたはずなのに…。「あれ…これ、消しゴムのカス…?いや違う、卵のからだわ…」学校で投げられた卵のからが見つかった。「あ、いや、これはその…」どう言えばいいかわからなくなった俺は何も言えなかった。「あなたもしかして…菊池くん…?」はい、オワタ…。もう、隠すのは無理だ…。「そうだよ。田宮さん。俺は、菊川琉月じゃない。菊池琉生。田宮さんがいじめてきた眼鏡くんだよ。」俺は笑いながらそう言った。「え、うそ、え、え、え、…!?」凄く混乱している田宮さん。その瞬間、俺の中で何かが目覚めた。「にしても田宮さんさ、学校で俺にたくさん酷いことしたよねぇ。俺もう、田宮さんとの撮影全部拒否しよっかな。」そう言うと田宮さんは涙目でこう言った。「え、やだ、ごめんなさい、何でもするからお願い、許して…」よし、言った。"何でもする"最高の言葉だ。俺の中で目覚めたのは、S心だったのかもしれない。「ふーん。何でもするんだぁ。じゃあ、俺が言ったことには絶対服従。いい?」田宮さんが自分から言ったことだ。俺は、別に悪いことはしてない。「わ、わかった…」「"わかりました"だろ?」「…わかりました……。」面白い奴隷ができた。そんな事を思っている俺は今、多分凄く悪い顔をしている。