こういう展開では無言で去って行くタイプかな、と思ったのだけれど、彼は腰を上げない。 「君の勤めている店の名前、何ていうの?」 突然の質問。 「如月、です」 彼は突然泣き出した私に何があったのかは聞かなくて職場を訊ねた。変なの。 「如月?あ、あの、麺大王の隣の?」 「そうですそうです。いつも行列のある美味しいラーメン店のすぐ横にあります」