学校の校門の前に着いたところで、私はいつも・・・・


「「「キャーーーーーーーーー!!」」」

「神くーーーーーーん!!」

「羚都くーーーーーん!!」


たくさんの女の子に押されて押されて押されてます。


なんとか女子たちの大軍を抜けて、
1人で昇降口へ向かう。


毎日毎日こんな感じで、いつも圧倒されて
若干引き気味。


だって、たった一人の羚くんだけのために
100人以上の女の子たちが騒いでるんだよ?

うん。引く。


昇降口でローファーから上靴に履き替えていたら。


「はぁ、相変わらずね」

「あ!愛夢(えむ)ちゃん!おはよ!」

「はいはい、おはよ」


中学校からの友達の澤田愛夢(さわだえむ)ちゃんの声がして、あいさつをする。


愛夢ちゃんはクールで、爽やかで、さっぱりした女の子。

あれ、全部同じ意味か。


まぁ、そんな愛夢ちゃんとギャーギャー騒がれている羚くんを置いて、教室へと向かう。


「ほんとに、毎日毎日騒がしいわね」

「ん?」

「羚都のことよ」

「あぁ!うん。どうして毎日あんなに騒げるんだろうね」


羚くんと愛夢ちゃんが話すところをあまり見ない。

なぜなら、愛夢ちゃんは羚くんみたいな王子様キャラが大嫌いだから。


そんな愛夢ちゃんは、私を羚くんと引き合わせたくないらしい。

『羚都が璃鈴を食いそうだから』

らしい。何回考えても意味が分からないんだけどね。