「もし私がここに受かったら…

私と付き合ってよ!」





「…っ!」



目を大きく見開くさくにぃ。
そんなに意外だった?


そりゃそうだよな。
私が告白するなんて、似合わない。



自分で決めたことなのに
言ったことを後悔した。


うつむいて固まる私。



どうしよう…







「あゆ」


「はいっ!」


名前を呼ばれ勢いよく顔を上げる。





「な、なんでしょう?」


なんでそんな真剣な目で私を見るの?





あー!!!ごめんなさい、ごめんなさい!
これからはいい子にしますから!
命だけは…。





「ありがとな」



「え?」




優しくほほ笑む彼。



「なん、で…?驚かないの?」




「そりゃ、驚いたよ。
だってお前、恋愛とか興味無さそうだったから。あゆも恋すんだな」



「なによ、いつもいつもバカにして!」


視界が歪む。
涙のせいで。



「はいはい、わかったよ」



私を抱き寄せて頭を撫でる。



「うぅ…なんだよ」




「これであゆの目標決まったな」



「え?」



抱き寄せられているせいで顔が近い。




「絶対、ここに来いよ。待ってるからな」




そんなこと言われたら…
また、涙が



「さくにぃ〜」



「泣くなよー。そんなんだから彼氏できねぇんだよ、お前は」



「仕方ないじゃない!こんなんだもん!」




「あゆ」


私の前にしゃがみこみ
手を掴んで彼は言った。




「俺は昔からお前にしか興味ねぇよ。
自慢じゃねぇが、今まであゆ以上に好きになったやつなんていねぇから」



「それって…」




「待ってるぞ」



立ち上がり、私の頭をポンポンと撫でて
どこかへ行ってしまった。