「って、さくにぃ!?」


「よぉ、久しぶりだな」



高崎さくや。


小さい頃、家が近くてよく遊んでいた。

私より3つ上のお兄さん。だからさくにぃ。



さくにぃの大学受験がきっかけで最近は会っていなかった。



「まさかここで会うとは…」



「なんだよ、嫌そうだな。
お前もこの大学に来るのか?」



「それはまだわかんない。
今日だって友達について来ただけだし」



「そう言ったってどーせ来るだろ」



ドヤ顔をするさくにぃ。



「なんで分かるのよ!」



「だってお前、高校の時も
どうしようって最後まで悩んだ結果
俺と同じところに行ったじゃん」



「それは…たまたまよ!たまたま!」



「たまたまね〜」



ふふっと鼻で笑う。


こいつ…絶対からかってる!



「あゆは小さい頃から
さくにぃ!さくにぃ!って、俺の後ろついて来てたんだから、今回もそうなるって」



「むっー!」



頬を膨らませてにらむ。



「そんな怖い顔すんなって。
まぁ、ここにはイケメンがいっぱいいるから、男には困んねぇぜ?
お前みたいなやつにでも、彼氏の1人や2人はできるだろうよ」



あ、またそんなこと言う。
ほんと、さくにぃは何もわかってないな。