「...ここまで言って、さも善人ぶろうとするのなら、その首を飛ばす」
 正面から睨み付けられ微動だに出来ずにいた私は、肩をすくめ、リボルバーをしまい、店全体に行き渡る程の声を出し、言う。
「ビリー、ジュラ、依頼だよ」
 言えば、
「話は大体理解した」
「報酬はそれなりだぞ」
 と、どこからか感じの違う声が聞こえてきた。
「...どういうことだ」
 言ったのは、レイチェル。恐らく、声が聞こえてきたことに、ではなく、声の響き具合で、自分たち以外の誰かが店にいることを察し、出てきた言葉だろう。
「ローナも気付けないんだから、初対面のやつが気付けなくて当たり前」
「...我々は、ずっとここにいた」
 声のした方を向くと、ビリーとジュラはいた。ソファでくつろいでいたようだ。私は、ジュラが言ったことに対して、少々頭に来たので、言う。
「何が、初対面のやつが気付けなくて当たり前よ。自分たちがすごいみたいに言ってるけど、ただ単に、あんたらの存在感がないだけじゃないの」
 まさしく、彼の言ったことは、そうだったのだ。