「ちょっと間病院でおとなしくしとくわ(苦笑)わざわざ来てくれてありがとな」


「うん。絶対に安静にしとくんだよ!じゃ〜また来るからね♪」


松葉杖をつきながら、ゆっくり入り口に戻っていく彼を見届ける



(この日以来、里香は藤本さんの見舞いに行く事はなくなった)


藤本さんとは正式に付き合ったわけでもなかった



別れても心の片隅で宏君の事を想い続ける里香は付き合う勇気がなかった…


前にギュッと抱き締めてくれた藤本さんには、幸せを感じる事ができなかった…



一週間後


今日は久々に宏君と会って話しを聞きに行きます



何の話しをしてくるのか…
期待と不安のまま…


懐かしい宏君の家に迎えに行った



「おっ!里香久しぶり」

変わらない笑顔で助手席に乗る宏君



「話し…いつものテニスコートの駐車場に行ってする?」

里香は聞く




「ホテル行こうや」

素な表情で答える宏君…



「ホテルって…こんな時に嫌だ」

宏君は何を考えてるの




「分かってるけど、ホテルでユックリ話しがしたい」
譲らない宏君