「なに、これ」


みんなナイフを手にして驚いている。香穂の席にも私の席にも一本のナイフが置かれていた。


「美和、これどういうことなのかな」


香穂が怖がって私の席に駆け寄る。


「私にもわからない、だけど、なんか嫌な予感がする」


『"トモダチ殺し"開始まで、あと15分』


すると、昨日の昼と同じ放送が流れた。


「トモダチ殺し…?」


「あと15分ってどういう事?」


「おいなんかのイタズラなんだろ?誰だよ放送流してるやつ」


クラスのみんながザワザワし始めた。


「放送室には誰もいなかったぞ、だから誰もこんな変な放送はしていない」


放送室を見に行っていたのか、坂木君がみんなにそう伝える。


じゃあ一体誰が……


『"トモダチ殺し"開始まで残り10分となりました。ここでトモダチ殺しのルール説明を致します。』


誰も放送室にいないのにまた流れてくる奇妙な声。


『トモダチ殺しは、このクラス全員が行います。今日から1ヶ月の間、クラス内にいるトモダチを1人で3人殺してください。殺せなかった者には、死んでいただきます。1ヶ月間は学校から出ることを禁止し、リタイアはできません。食事は朝の7時、昼の12時、夜の7時に食堂で用意されています。』


突然トモダチ殺しというもののルール説明をされた。どう言うことなのか、なにがどうなっているのか、全くわからない。


「トモダチ殺しってなんだよ」


「一体誰が放送してるの?」


「友達を3人殺すってなに?殺せなかった人は死ぬってなんなのよ!」


みんな教室内で混乱している。


「馬鹿馬鹿しい、どうせ嘘だろ」


三嶋君はナイフを投げ捨てる。


三嶋君のように全く興味のない人もいれば、謎の放送に怯えて動揺している人もいる。


「なんなのよこれ…」


香穂も、これから何が起こるかわからないこの状況に怯えている。


『"トモダチ殺し"開始まで、残り3分』


なんなの、トモダチ殺しって一体なに?私たちになにをさせようって言うの…