クラスの女子の中の一軍である私達4人。


入学式で席が近くだったこともありすぐに仲良くなった。


チャラくて口が悪くなるときはあるけどいつも明るく元気な美麗、面倒くさがりだけど何かあった時は1番に相談にのってくれる奈々、頭が良くて優しい気遣いができる瑛里華、そして私、朋香。


私は3人にどう思われてるか分からないけど、前に瑛里華から"朋香のその笑顔にいつも癒しもらってるんだよ"って言ってくれたのを覚えている。


こんな良い友達ができて、毎日が本当に充実していた。


だが、そんな楽しい生活が続いていた矢先に突然起こったこのトモダチ殺し。


なんでこんな事が始まったのか、なぜ殺さないといけないのか、どうして私達のクラスなのか。


疑問に思うことは考えればたくさん見つかってくる。


薄暗い中、4人で誰もいない廊下を歩いている。


「てか、ふざけてね?馬鹿馬鹿しすぎ」


「奈々もなんかだるくなってきたわ」


美麗と奈々は徐々に苛立ちを感じ始め、このような事を言い出した。


「トモダチ殺しなんて理解できないことやってる今の時間が無駄よ」


正論を言う瑛里華。私は喋らずただみんなの会話を聞いていた。


「まじそれな、蓮が死んだのだってただの偶然だ
でしょ、そんな事で怖がって信じ込んでる奴とかどういう神経してんのってちょっと思った」


奈々も言葉に怒りを露わにする。


いつも一緒にいて楽しいけれど…


たまに、怖くなる。


特にこんな面倒くさい事が起こった時とか。


「朋香もそう思うでしょ?」


その時、奈々が私にそう聞いてきた。


「…あ、えっと」


私が言葉に迷って立ち止まると、3人とも歩いていた足を止め私を見つめた。


みんなの目は、私に「そうだよね?」と言っているようだ。


「あ、当たり前!こんなアホみたいなこと信じてる方が頭おかしいじゃん?」


私は笑ってそう言った。


「だーよね!朋香ってたまに毒舌なるよね(笑)ま、そゆとこも好きだけど!」


「分かるわそれー!だけど頭おかしいは最悪すぎるじゃーん!(笑)」


「待って朋香結構ガチトーンだったけど(笑)」


「あはは!!うける〜!」


私が発言したことにみんな笑ってくれてる。


みんなが盛り上がって笑っているところを見ると安心するんだ。


そして再び歩き出す私達。


決して嫌いなわけじゃない。


ただ、みんなに嫌われたらやばいって思うだけ。


みんなといつまでも仲良くいるため、この私をずっと好きでいてもらうため。


ちょっとぐらい嫌に思う事があっても、ずっと仲良くする上では我慢しなければいけないもの。


友達と関わることは、こうやって成り立っているはずだ。


きっと、そうなんだ。