「怜奈大丈夫か?」
「うん大丈夫。なんかごめんね…」
私の名前は宮崎怜奈。そして隣にいるのは彼氏の悠聖。
トモダチ殺しが始まって1日が経過した。突然こんな訳の分らないことが始まっていること、全部嘘だと思っていた。誰かのイタズラだと思って全然本気になっていなかった。
でも、クラスメイトが殺されているのをみて、これは本当に友達を殺さなければ自分が死ぬと改めて理解した。
そしてこの現実を受け止めている。
「なんでこんなことになったんだろうな…」
悠聖はため息をつきながらそんなことを言い出した。
いつも前向きで元気な悠聖なのに、今は笑顔すらない。
「私にも理解できないよ、こんな噓みたいな事」
「でも、怜奈が無事で良かった」
悠聖は私を引き寄せて強く抱きしめる。
そして悠聖は抱きしめる力を弱めて、顔を私の首元に埋めた。
首元に悠聖がキスをする。
「ちょ、、なにしてるの、やめてよこんなところで…」
急に変なスイッチが入ってしまった悠聖を私は止める。
「俺、我慢できない。怜奈のこと襲いたい」
そう言って今度は唇に激しめのキスをしてくる。
悠聖の大きな手が私の後頭部を押さえる。
そのキスには優しさが感じられなかった。
だけど今はこんなことをしてる場合ではなくて、早く逃げることが大前提。
「やめてって…逃げなきゃ、誰か来ちゃうよ…」
私は悠聖から離れようとするが、力では適わなかった。
「ごめん。けど怖いんだ、怜奈ともう二度と会えなくなったりしたらって…そう思ったら焦って、最後だったらどうしようって考えるんだ、だから今は止めないで…」
唇を離して悠聖はそう言った。彼の目は少し涙目で、その声は少し震えていた。そして私を床に押し倒す。
悠聖のその思いに、私はそれ以上抵抗することができなかった。
悠聖が言った通りかもしれない。
もう二度と会えなくなるって、否定はできない。
もしかしたら、私達に明日と言うものが来ないかもしれない。それだから、今のこの時間を大切にしたいってこと。
触れられるのもこれが最後だったらと思ったら…
そんなことを考えながら、私達は2人だけの世界に入った。