「あのさ。提案なんだけど、飲みに行くのやめてこのままドライブ行かない?」

ゆっくりと、言葉を探すみたいな話し方。
私はそれに頷くことしかできなくて、そんな私の頭に夏樹さんの大きくて暖かい手が触れる。「辛い時に俺でごめんね」と頭を撫でる手が優しくて、私はまた、涙を止めることができなかった。