俺はふっと笑って、

「紘の、誕生日?」

「はあ~?」

予想通りの返事が返ってくる。

「嘘だって。
記念日だろ?」

「そう!」

「覚えてるし」

「…あのね?」

薫の声のトーンが下がる。

「ごめんね?
わかってるから」

「何が?」

「明日のこと。
わがままごめんなさい」

「いつものことだから」

俺が笑って言うと、

「酷いっ!
じゃあ、明日頑張ってくるね」

「おう。
終わったらいつものとこで」

「うん!おやすみ」

「おやすみ」