薫を迎えに行った日から半月。

薫は、留学を終え帰国した。

俺らはまた、いつもの日常を取り戻した。

薫も俺も、3ヶ月の空いた授業を取り戻すのに苦労していた。

まあ、薫はちゃんと留学制度に基づいて休校していたし、俺も入院だったから留年はしないとは思う。

薫は変わらず俺の名前を呼ぶ。

人は誰だって強くなりたいと願う。

ひとりで強く、生きたいと思う。

が、そんなことは不可能だ。

絶対にどこかに支えがないと生きられない。

残念ながら、人間はそうできてるんだ。

だから、誰しも、自分だけの居場所が必要なんだと思う。