「だめだよ…。凌牙に、依存しすぎてるから」

「依存してろよ」

「…え?」

「俺なしで生きていけることが強くなるってことなら、そんな強さいらねえよ」

「……」

「俺だけの居場所がなくなるじゃねえか」

「…凌牙?」

「薫は俺だけの居場所なんだよ。だからこうやって、迎えに来たんだろ?」

「凌牙!」

薫は思いっきり俺に抱きついてきた。

「いって…」

「私、毎晩、凌牙の名前呼んでたの。名前を呼ばずにはいられなくって…」

「ああ~」

「凌牙に何が起きてても、構えていられるようにしようって思っても、全然っ!」

「分かった。分かったから…」

俺は薫の話をずっと聞いてた。

薫が俺の名前を呼ぶことがこの上なく幸せに思えた。