「Ryouga?」

おじさんが肩を掴んで聞いてきた。

「まあ、はい」

するとふたりは顔を見合わせて嬉しそうに笑った。

何なんだよ?

「薫はこの家に住んでるわよ。でも、今は居ないわ」

「え?」

「この時間はね、毎日海の方に行くのよ。それでいつも目を真っ赤にして帰ってくるの」

「……」

「理由は知らないわ。でも、いつも寝言で『りょうが』って泣きながら呼ぶの」

黙りこんだ俺に、おじさんが道を指した。

俺はそのまま指された方向に走り出していた。