ピ―、ピ―、

重い瞼を開けた。

目だけを動かすと白い天井、花瓶、テレビ、機械が見える。

ここは病院?

ドサッ!

音のする方を見ると、鞄を落とした母さんが泣きながら俺を見てた。

「凌牙っ!」

声、デカいって…

「何だよ…」

「凌牙!」

母さんは泣きながら、俺に縋りついた。

「大丈夫なの?喋れるの?」

「あぁ…」

「よかった~」

母さんは落ち着きを取り戻し、驚くことを言い出した。

「あんた、2ヶ月も眠ったままだったのよ」

「…はっ?」

カレンダーを見ると10月だった。

嘘だろ?