「でもさ!
あんまり見ないでよね?」

薫が意地悪い顔をしながら言う。

「は?」

「お酒飲んでないのも見てたとか、
凌牙、こわっ!」

そう声に出して笑った。

「好きな奴のこと見んのとか、
当たり前じゃね?」

「えっ?」

気付いた時には遅かった。

無意識に口走っていた。

「は?えっ?」

薫がパニックを起こす。

「何だよ」

「好き?私を?」

「ん~、多分?」

あまりにも直球すぎる質問に、はぐらかしてしまった。

「多分っ?」

「うるせえよ」

「ねえ!多分?」

「知らねえ~」