『芽衣!ご飯食べよ!』
今日もいつものように日菜子が誘ってくれて。
2人で教室でご飯を食べるつもりだったんだけど。
『芽衣!』
『うん?あ、光太郎。どうしたの?』
隣のクラスの光太郎がいちいち声をかけてくるのは珍しいから、返事を聞くことにした。
それもなんだかとても焦ってて。
『隠れられる場所ない?』
『隠れられる場所?』
『そう、ちょっと追っ手が…』
『追ってって、……』
誰、と聞こうとして、それから聞かなくてもわかった。
『光太郎ー…!!!どこ行きやがった!』
光太郎の陸上部の先輩、櫻井先輩の声が聞こえたからである。



