「やっぱり嫌い!」
「なんだよ。なんもしてねえだろ!」
優しすぎて、嫌い。
そんなこと言ってもきっと分かんないだろうなあ、光太郎のことだから。
疎いもん、こいつ。
今だって、学校でどのくらいモテてるかきっとわかってない。
割とよく告られるなあ、ぐらいにしか思ってないもん。
だから、きっと女子から恨まれてるあたしのことも知らないんだ。
「気づけ、バカ」
「…ん?なんか言った?」
「なんも!」
「それより問い27終わった?」
「終わってない。…やだ、絶対自力で解く!答えみせないでね」
「はいはい」
「でも、その前にアイス食べる」
そこにギョッとした、光太郎は。
「現実逃避は良くないぞ?」
なんて、あたしに忠告したけど。
正直そんな忠告にあたしが従うと思ったのかな?
「逃げてないから!アイスが食べたいだけだから!」