たまに傷つく、そんな時でも前を向いて



「よし、朝倉。テストの点数勝負しろ」


さっきまで会話に混ざらなかった光太郎がいきなり朝倉に話しかける。


「な、何言ってんだよ。光太郎に勝てるわけないじゃん。つか、なんでその話に?」


「なんでもいいから!」


「…光太郎、もしかして芽衣と付き合ってたこと怒ってる?」


「………」


黙った!


光太郎が黙った!


「え、まじ?芽衣のこと盗られたって思ってたり?」


「………」


え、そこもだんまり?



「…違う。そんなんじゃない」


それ、今言っても遅いよー!


ほらほら、朝倉はもう勘違いしてる。



「え、え、え。…もしかして、芽衣のことす…」


ドカッと、鈍い音が中庭に響いた。


「痛いよー光太郎、酷い。親友の僕を、…僕を殴るなんて!」


演技じゃなく本当に涙目になった朝倉がほんの少し可哀想に思えた。


「どうでもいい。朝倉、とにかく勝負だ。負けたら、…そうだね。俺ら3人にアイスでも奢ってもらおうかな」


「はい、はい!ひな、ハーゲンダッツがいい」

元気よく、手を挙げた日菜子に光太郎は頷いて。

「じゃ、ハーゲンダッツ3人分な」


と、宣告した。


「ええ!僕、お小遣い的にギリギリなのに!」


「じゃあ勝て。がんばれ」



「光太郎、これから返されるテストのこと言ってるんでしょ。…どう頑張るの」



「…神頼み?」



「酷い!」




なんか、どんどん3人だけで話が進んでいってるんだけど。



ほんとに大丈夫なのかな、朝倉。