「広瀬陽(ひなた)です。好きなことは歌うことと、あとは―……あ、恋バナが好きです！これからよろしくお願いします。」

昨日の夜に考えた超普通の自己紹介をして席に戻る。




高校二年生の青春真っ只中。
一番楽しめるこの学年を精いっぱい楽しもうと、初日から明るく振る舞った。
おかげで新しく仲のいい友達ができたし、男子ともたくさん話せたから陽キャラ認定だね。うんうん。


行き帰りは幼馴染の小河大聖っていう男子と一緒だ。家が隣同士なこともあってか家族ぐるみの付き合いで、お母さんたちの提案(？)で高校まで同じ所に行くことになってしまった。
しかも、心のどこかで一緒に行けることを喜んでいる自分がいる。何でかは自分でもわからないのだけれど。