「あぁ、ごめん。 もう少しで終わると思うから。」 こちらをチラッとみて表情を変えずに言う。 「いいよ大丈夫。 でも、明日描くんじゃだめなの? もう最終下校って7時だよね?」 美術室の時計は6時過ぎを指している。 「これ、本物のりんごなんだ。 今日金曜日だからさ、月曜にまた描くんだと色や質感が変わっちゃうし、同じように目に映るとは限らないから今日のうちに完成させたいんだよね。」 今度は時計をチラッとみて、また視線をスケッチブックに移す。