あの日、いつも通り余裕を持って教室に着いた私は下の階の自販機へ行こうとしていた。
そしたら、階段で沙耶の声が響いて聞こえてきて話しかけようとしたけどそれと同時くらいに瑛二君の声も聞こえたから私は思わず隠れたの。
盗み聞きするつもりはなかったけど、つい…
ごめんね。
ちらりと覗いてみたら、沙耶と瑛二君…キスしてるんだもん。
涙が急に溢れてきたよ。
好きな人が目の前で私以外の人と幸せそうにしてるのを見たら、もうとても辛くて辛くて。
そしたら急に瑛二君が階段をかけ登ってきて、私とぶつかってしまった。
どうしよう。見ていたことバレたかな。
そんなことを思っていたんだけど…
その時瑛二君はぶつかって涙が出たんだと言い切って私を保健室に連れていった。
それは沙耶も見ていたよね。
でも瑛二君は、気づいていたみたい。
私がなんで泣いていたのか、私が沙耶の事好きだってことも。
ビックリしちゃった。
今まで多分誰にもバレたことないのに。
保健室には先生がいるから、ひとけのない廊下の隅でこう言われたの。
「浜松先輩、沙耶の事、恋愛的に好きだったりしますか?」
ってね。
だから私も言ったの。
「そうだよ。私は沙耶が好き。好きだもん。
譲りたくない、早く別れてよ…」
って。
多分、亜樹君はここの所を断片的に聞いていたんだと思う。
まぁこの後は瑛二君におかたーい意思をぶつけられて結局は私は勝手にやるから、みたいな感じになったけどね。
